人に迷惑をかけてはいけない、と私たちは小さいころから言われます。25年間の臨床経験からみえてくる、『他者に対するちょうどいい迷惑のかけ方』、についてお話しします。
『何をしてもいいから、人に迷惑をかけない大人になってほしい』
『自分で生きていけるようになってほしい』
これは、保育園や幼稚園、小学校、中学校で講演などをしたときに
「どんな大人になってほしいですか」
と保護者や先生方に聞くと、必ず帰ってくる回答の一つです。
というのも、現代というのは「自由」と「権利」が根底にありますから
他者の自由や権利を侵害してしまうと犯罪として扱われてしまいますし
他者をあてにしようとすると、それらは「サービス」としてお金がかかりますから
自分のことは自分でできていないと、大変生きづらい社会である、ということもあるかもしれません。
皆さんも、子どものころには、一度は言われたことがあることでしょう。

でも、臨床を長くやっていますと
「そんなことは無理だ」
ということがわかります。
世の中が複雑化していますし、人と人とのコミュニケーションが複雑になって、多様化して、入れまでの単純な価値観からは変わってきているのです。
これまでの価値観で、自分が良かれと思って言ったこと、やったことですら、「迷惑」になってしまうことだってあるでしょう。
ですから、少なくとも
「人に迷惑をかけない生き方」
ではなく、
「できるだけ、人に迷惑をかけないように気を付ける生き方」
くらいにしておかないと、苦しくなってしまいます。

その一つの改善方法は、「質問する」ことです。
「これってどう思います?」
「こうだったとしたら、どんな感じがします?」
このくらいを聞いてみることで、人との関係はずいぶんましになります。
「良く」ならなくてもいいので、
「少しだけまし」になってみてはいかがでしょう。
ちょっと聞いてみる、くらいの迷惑で、だいぶ改善されることもあるかもしれませんよ。
KIRIHARE所属 臨床心理士
