25年間の臨床経験からみえてくる、『ニブイといわれる人はペットを飼うと変わる』ということについてお話しします。
コミュニケーションというものは、だれでも難しさを感じることがあるものです。
よく「カウンセラーが教える会話法」とか、「NLPで相手が思い通りに動く」とか、目をひく心理学ベースの書籍があるかと思いますが、おそらく、ほとんどの場合はうまくいかないのではないでしょうか。
当然のことながら、
その理由は「付け焼刃」だからです。
知識としてコミュニケーション理論を知っているということと
実際に目の前に人がいて、その人がその人なりの在り方でかかわってくるわけですから
「書籍内の知識」
「研修会内の知識」
では、あくまでも「知っているだけ」ということです。
では、どうすれば、実際的な「感覚」を身に着けていくことができるのでしょう。

臨床心理士であり文化庁長官も務めた故河合隼雄先生は
「ペットを飼え」
ということを言っています。
子育てを経験していない人は特にそうだ、ということで、27歳の時、わたしも犬を飼いました。
もちろん、犬や猫を飼うのは大変な責任を持ちますし、お金もかかります。
また、他の家族がいる場合には、影響がでることや、アレルギーがある場合には注意しないといけません。
子犬から育てますから、嚙まないようにしつけをすることや、トイレのしつけ、動物は言葉を話しませんが、いろんな要求や感情を訴えてきますので、それを理解して対応しなければなりません。
これが、コミュニケーションの基本だ、というのです。
「察しが悪い」
とか
「雰囲気が読めない」
ということは、ペットを飼うと否応なく改善せざるを得ず、言葉以外の表情とか、本当のところ何を言っているのかとかが読み取れるようになってくるのです。
大変な経験であり、そうした経験を一緒にしてきたペットの死というものは、特別につらい物でしたが、本当に感謝をし、またわかってあげられなかったことに後悔を感じたものです。

イギリスのことわざでは、子供が生まれたら犬を飼え、というものがあります。
これは、次のように続きます。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう
そして子供が青年になった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう
わたしたちは、人との関係やコミュニケーションで悩むことはありますが、その解決は必ずしも人だけで解消するわけではないようです。
KIRIHARE所属 臨床心理士
