「持っていけるもの」を考えておく

25年間の臨床経験からみえてくる、誰もが「最後に持っていけるもの」は何か、について考えておくと、すこし楽になる、ということについてお話しします。

 

私たちが、どこか旅行に行く場合、それぞれに重視するものがあると思います。

旅行先で体調不良にならないように「常備薬」を持っていくことを忘れないようにしたいひともいるでしょうし、コンタクトを使用している方なら、コンタクトケースとか、写真を撮りに出かけるのでしたら、カメラのレンズや予備のバッテリー。

最近だと、モバイル機器の充電器とかも持っていきたいところですよね。

 

旅行するセレブな女性のイラスト

 

これらは、私たちが、その行先で何を重視するか、どうなったら困るか、をそれぞれ想定しているからです。

 

目前の旅行くらいですとそうした準備もできますが、私たち全員が必ず迎えるであろう「死」ということを考えたときに、

「この世の中に何かを残す」

ことはあっても、

「何かを持っていく」

ことはできないことに気付くはずです。

 

つい先日のことですが、私の叔母にあたる「尼僧」が亡くなりました。

世の中では、著名な尼僧であった瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになりましたが、そんなにすごい人ではなく、

むしろ、生前は、「財産」というものに大変執着を持っていた叔母でした。

ところが、おそらく自身でも予想していないほどの急逝となり

独身だったということもあって、家族もいない状況でした。

 

言うまでもなく、残ったのは「財産」だけですが、誰に残すでもなく、ただ土地や家や立派な庭が残ったところで、周りで喜ぶ人もいません。

ユリのイラスト

 

人の生き方はそれぞれではあるのですが

私個人にとっては、とても反面教師という側面がつよく、

ただ、亡くなってしまってなお、私自身の中にこうした印象が残っていること自体が

なんとも悲しいことのように感じられましたし

個人的にも、亡くなった人をそのように思ってしまうことについて、なんだか申し訳なく、自分の至らなさも実感するところです。

 

みなさんが、何を残して、何を楽しんで、

結局は、最後は何も持っていけない、この人生という旅に、

どんなものを「持っていきたい」と願うか

 

もしかすると、今悩んでいることや、人と争っていることは、

最終的には、どうでもいいことなのかもしれませんよ。

ストーリーを変えてみる

25年間の臨床経験からみえてくる、「自分の中のストーリーを変えると世界が変わる」ということについてお話しします。

 

昔話やおとぎ話はみなさんご存じでしょう。

 

昔々あるところにおじいさんと、おばあさんがいました

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。

おばあさんが川上をみると、大きなモモがドンブラコ~

 

『桃太郎』のお話はみなさんご存じでしょう。

 

開いた本のイラスト

 

これを、例えば、「サル」の視点で考えたことはありますか?

 

サルは、通りかかった桃太郎が持っているきび団子が欲しくて

鬼退治についていくと言ってひとつ貰ったものの

「ほんとにきび団子ひとつで鬼と戦うの??いやだなあ・・・しかも犬とは相性悪いのに」

と思っていたかもしれません。

 

しかも、鬼退治の後に持って帰ってきた宝物は、サルにはまったく関係ありません。

他になにもご褒美もくれません。

 

ある意味「ブラック」な感じです。

サルからみた「桃太郎」は、一人の英雄に振り回された人生(サル生)のように見えなくもありません。

 

怒る男性ビジネスマンのイラスト

 

ある会社が事業に大成功したとして、その社員一人ひとりにとって、それが大成功のストーリーではない、と言うことは言うまでもないでしょう。

 

一方で

これは、人や立場を変えたからわかりやすかったことですが、自分自身の中でも「ストーリーの転換」ということは起こります。

 

例えば、昨今のパラリンピックなどは、そうした人生の転換を身近に感じさせていただいた機会でした。

 

〇歳までは健康だったが、〇歳の時に病気(事故)で障がいの状態となり、そこから協議に関心をもって、メダリストになった。

 

一言でいうと、一直線のストーリーですが、

病気、事故という経験は、その時点では簡単ではない感情を経験されたはずです。

 

その時点では、絶望を感じたかもしれません。

 

けれども、ある競技に出会い、人と出会い、そしてこうした結果を残したことで、

「絶望のストーリー」

は、同じ絶望の状態ではなくなったはずです。

 

〇歳までは健康で、〇歳の時に病気、事故で

という客観的な「事実」は変わりません。

変わったのは、経験による「ストーリーの変化」です。

 

ひまわり畑のイラスト

 

ですから、私たちは、

もし「今」絶望の淵にいるとしても、

そのままのストーリーが続いて結末を迎えるとは限りません。

 

失恋でも、もしかしたら、この次にハッピーエンドがあるかもしれず

失業したとしても、このあと違った展開が待っていることがあります。

 

この点については、私自身も何度となく経験があり

初恋の人の自殺という経験で大ショックをうけた

高校入試に失敗した

大学入試に第一志望ではなかった

就職試験も希望の職種ではなかった

と書いていくと、本当にきりがありませんが

今、心理職として仕事をして、

こうして文章を書いたり、好きなコーヒーや写真を楽しんだり、地域おこしに取り組んでなかなか面白かったりするのは、まずまず悪くありません。

人間のストーリーは、まさに先がわからないものです。

明日、あなたのストーリーも変わるかもしれません。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

疲れた心をいやす一番シンプルな方法

25年間の臨床経験からみえてくる、疲れた心をいやす一番シンプルな方法についてお話しします。

 

個人的な臨床経験から申し上げますと

人の心と言うのは、かなりの部分が「感覚」と「言葉」で作られていると感じています。

 

例えば、

目の前に美味しそうな食べ物かある時

その食べ物を、「感覚」として「見て」「香りを感じて」「味わって」

そのうえで、それを言葉に変換します。

 

「おいしい」

というだけのこともあるでしょうが

「すごく、おいしい」

「香りがメープルシロップのようで、舌触りが滑らかで、優しい甘み」

とか、持っている言葉によって、感覚で感じられたものが、返還されて定着します。

 

閃いた若い女性のイラスト

 

『思い出』

というのもそうです。

 

同じ場所に出かけた2人がいて、その2人がみた景色が同じでも

頭の中で使用した言葉でどんなふうに表現したかによって経験が別のものになっています。

 

こんなふうに、私たちは、自分の使っている言葉に、心を支配されているということは、そんなに間違った考え方ではありません。

ですから、通勤電車などで

「あー、疲れた。やってられない」

という言葉が頭に流れている人は、そのような表情、雰囲気に見えませんか?

 

楽しそうに見える人の頭の中は、楽しそうな言葉がある事が想像できませんか?

 

フラワーアレンジメントのイラスト(バスケット)

 

これが、心をいやす簡単な方法のひとつめです。

「ネガティブな言葉をできるだけ頭の中に入れないこと」

 

これは、身体的な健康にも結び付きます。

ネガティブな心情というのは、ストレスですから、常にそうした状態にあると、免疫力や消化器系をはじめとした機能が低下します。

 

『習慣』として、頭の中にネガティブな言葉が多く流れないようにする、と言うことは必要ですが

悲しいことがあった時、辛いことがあった時に、それを抑圧してしまうことは別の話です。

『習慣』として、心がけていても、どうしても辛いことがあった時、悲しいことがあった時は、十分にそれを経験する、と言うことも、実は心を大切にする方法の一つです。

災害や事故などフラッシュバックは、突然の惨事に感情がついていかず、抑圧されてしまうことによって生じるとも言われます。

「辛かった」「悲しかった」ということを否定するのではなく、時間をかけて経験するのも大切なことです。

 

そうなると、やはり気分が落ち込みますし、疲れます。

 

その時は、もう、寝てください。

 

眠る女の子のイラスト

 

色々頭に巡って、眠れない、と言う時は、「体を横にしているだけでいい」と思って寝てください。

 

ユング派の精神分析家だった河合隼雄先生は、

「寝て起きるとなにか変わっていくから、どうしようもないと思ったときは寝なさい」

とおっしゃっていました。

 

確かにその通りだと感じることが多いです。

 

一番シンプルに心を休める方法は、実は「寝ること」だと思いますよ。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

量と質のどちらを選ぶか

25年間の臨床経験からみえてくる、「量と質のどちらが重要だとおもうか」によって、ちょっと生き方が変わる、ということについてお話しします。

 

二者択一、ということは、そんなにあるものではありませんが

「どちらかを重視すると、どちらかが引っ込む」

ということはよくあるものです。

 

「量と質」という問題は、生産の現場でも課題となりますが

「大量生産」というと、

「職人技」のもの、との対比から

「安かろう、悪かろう」というあたりも含めて

「早い」とセットで「安い」もくっついてきて

むしろチープな印象もある場合もあるでしょう。

 

商品を流しチェックするイラスト

 

他方、「量は質に転化する」という言葉もあります。

個人的には、若いころの仕事の在り方は、こうした取り組み方も重要かと思われます。
いろんな場面でいろんな仕事を次々こなしていくことによって、結果的には全体の質が上昇していきます。

つまり、経験の量、というのは質に影響していくということはできるでしょう。

 

対象を変えて

食べ物だったらどうでしょう。

おなかがすいたから、とにかくたくさん食べたい

ということもありますよね。

 

年配の方などでは、たくさん入らないけどおいしいものが食べたい

という質の部分にこだわる方もいるかと思います。

 

いただきますのイラスト(男性)

 

これについては、量は質に転化しません。

 

ポリシーとして、

「量か質か」

というのは、「何を対象にしているのか」によるでしょう。

 

では、この視点を

カウンセリング的に言うとどうか

 

と言いますと

「量も質もほどほどでいいんじゃないですか?」

 

と言うことになります。

 

仕事の量や、やらなければならないと思っていることが多すぎて、体調や精神を壊してしまう方は多数います。

また、

自分の取り組みの質について悩む方も少なくなく、思った通りに行かないことで調子を崩される方もいます。

 

まわりから見ると、

「そこまで思いつめなくてもいいんじゃない?」

という状況です。

仕事としては、「求められている量、質」があるかと思います。

その基準を満たすことは、必要な場合があります。

 

コーヒー飲みながらパソコン使う女性のイラスト

 

ただ、自分が課している「量と質」とのギャップがないか

時々確認してみましょう。

 

「ちょうどいい塩梅」

を探してみてください。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

自分の『こだわり』を知るとコントロールできるようになる

25年間の臨床経験からみえてくる、誰でも持っている『こだわり』について知ると、自分をコントロールできるようになる、ということについてお話しします。

 

わたしたちは、いろいろな好みとか、感情を持っています。

例えば、写真を撮るのが好きなのですが、そうすると、まずカメラですね。

性能が良いものが発売されると気になりますし、新しければよいというわけではなく、むしろ昔の古いレンズに味わいがあったりして、それも欲しくなったりします。

最近は、デジタルカメラが主流ですが、フィルムカメラにも魅力があり・・・

 

みたいなお話を始めると、たぶん気に合う方ならずっとお話することができます。

会話する異なる肌の色の女性たちのイラスト

こんな風に、興味がある人同士だったら楽しく共有できる「こだわり」も、まったく関心がない人にとっては

「何が楽しいのかさっぱりわからない」

「お金と時間の無駄」

というようなものに見えるでしょう。

 

また、こうしたこだわりは、楽しいだけでなく、実は悩みのタネでもあります。

 

欲しい、と思ったらすべて手に入るかと言うと、そういうわけではありません。

ものすごく高価なものもありますから、まったく手が出ないということもあります。

でも、他の人が持っていたりすると、なんとも悔しかったり、うらやましかったりしますね。

 

何とかして自分も手に入れられないか、あの手この手を考えたりします。

 

でも、手に入らない。

 

困る男子学生のイラスト(中学生・高校生)

 

これは、

「カメラくらい別にどれでもいいじゃない」

という人にはわからない悩みでしょう。

 

そして、

みなさんも、そうした「自分なりのこだわり」によって、苦しんでいることが実に多いのです。

 

例えば、

「恋愛」もそうです。

「仕事の成果」

とか

「出世」

とか

他の人にとっては、「どうでもいいもの」に、こだわっている自分がいるので

「つらい」

と感じているかもしれません。

「気にしても仕方ないよ」

と言われても、気になって仕方がない。

それが、「こだわり」と言うものです。

 

生きているうちは、きっと何かに対してこだわりを持ち続けるのが人間ですが、

10代でこだわっているものと

50代でこだわっているものは

ほぼ違う

と思っておくとよいと思います。

 

今、どんなに欲しい車があったとしても

今、どんなに好きな相手がいたとしても

50年後は、違うことを考えています。

もしかしたら、たった1年後でも、違うかもしれません。

 

資財・財産に囲まれる人のイラスト

 

カウンセリングの場では、そういう方をたくさん見てきました。

ですから

「こだわってつらい事」

というのは、人それぞれですが

「解決しない悩み」と言うものは、実は少ない、と思っておいてください。

大丈夫です。その悩み、いつか必ず無くなります。

KIRIHARE所属 臨床心理士

ニブイといわれる人はペットを飼うと変わる

25年間の臨床経験からみえてくる、『ニブイといわれる人はペットを飼うと変わる』ということについてお話しします。

 

コミュニケーションというものは、だれでも難しさを感じることがあるものです。

よく「カウンセラーが教える会話法」とか、「NLPで相手が思い通りに動く」とか、目をひく心理学ベースの書籍があるかと思いますが、おそらく、ほとんどの場合はうまくいかないのではないでしょうか。

 

当然のことながら、

その理由は「付け焼刃」だからです。

知識としてコミュニケーション理論を知っているということと

実際に目の前に人がいて、その人がその人なりの在り方でかかわってくるわけですから

「書籍内の知識」

「研修会内の知識」

では、あくまでも「知っているだけ」ということです。

 

では、どうすれば、実際的な「感覚」を身に着けていくことができるのでしょう。

眠る犬のイラスト

臨床心理士であり文化庁長官も務めた故河合隼雄先生は

「ペットを飼え」

ということを言っています。

 

子育てを経験していない人は特にそうだ、ということで、27歳の時、わたしも犬を飼いました。

 

もちろん、犬や猫を飼うのは大変な責任を持ちますし、お金もかかります。
また、他の家族がいる場合には、影響がでることや、アレルギーがある場合には注意しないといけません。

 

子犬から育てますから、嚙まないようにしつけをすることや、トイレのしつけ、動物は言葉を話しませんが、いろんな要求や感情を訴えてきますので、それを理解して対応しなければなりません。

これが、コミュニケーションの基本だ、というのです。

「察しが悪い」

とか

「雰囲気が読めない」

ということは、ペットを飼うと否応なく改善せざるを得ず、言葉以外の表情とか、本当のところ何を言っているのかとかが読み取れるようになってくるのです。

 

大変な経験であり、そうした経験を一緒にしてきたペットの死というものは、特別につらい物でしたが、本当に感謝をし、またわかってあげられなかったことに後悔を感じたものです。

木の下で眠る人のイラスト

イギリスのことわざでは、子供が生まれたら犬を飼え、というものがあります。

これは、次のように続きます。

 

子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう

 

子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう

 

子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう

 

そして子供が青年になった時、

 

自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう

 

わたしたちは、人との関係やコミュニケーションで悩むことはありますが、その解決は必ずしも人だけで解消するわけではないようです。

 

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

どうしてもつらい時を乗り切る感覚の使い方

25年間の臨床経験からみえてくる、『どうしてもつらい時を乗り切る感覚の使い方』についてお話しします。

 

わたしも含めてですが、みなさんの人生においても、どうにもならなくつらいとき、というものが存在します。

 

例えば、

親しい人との別れや死別

事業の失敗

失恋

破産

病気

老い

などなど、人それぞれにつらいことがあるでしょう。

困る男子学生のイラスト(中学生・高校生)

よく、人間関係で悩んだり、学校での悩みを抱えたりする方には

「今はわからなくてもいいけど、早ければ1年後、いくら長くても3年後には、今の問題はなくなっていると思うよ」

ということを最初にお話しします。

 

もちろん、そんなことは言っても、「今」つらいわけですから、耳に届かないことは多いのですが、これは「絶望」ということを防ぐための一言です。

 

例えば、肺炎になって、40度の熱があるときに

「3日後に楽になる」

といわれてもほとんど無意味なのと同じで

「今、何とかしてほしい」

と思っている場合も多いものです。

 

心理臨床は、薬品での治療ではないのですが、実を言うとこうした「即効性」のある「瞬間的な」対処法もあります。

 

小さいときに誰でも経験があると思いますが、

『痛いの痛いの飛んでいけー』

という方法。

 

あれは、大人には効果がありませんが、子どもには一定の効果があります。

理由は様々ですが、大人にも効く、応用の方法がいくつかありますので、今回はひとつご紹介しておきましょう。

人間関係のイラスト(泣く・謝る)

例えば

不安や緊張があったりして、どうにも落ち着かない場合

輪ゴムを一本用意してください。

 

輪ゴムを手首に巻きましょう

 

そして、

「ちょっと痛いかも」

というくらいに、引っ張って

「パッチン!」

とやってみてください。

 

もちろん

「いて!」

となりますよね。

 

でも、その瞬間は、不安とか緊張はどこかに飛んでいるはずです。

 

これは、

「自傷行為」

と呼ばれるものや

「自己刺激」

といわれるものを応用したものです。

自傷行為、というのは、リストカットなどをはじめとして、自分を傷つける行為で、少なくともあまり良い物とはいいがたいです。

ただ、この自傷行為について、いろんな方のお話を聞きますと

「不安が高まりすぎて、意識が遠のいたり、訳が分からなくなるような時に、リストカットをすると、スッと自分に戻る感覚がある」

とお話をされることがあります。

転倒の怪我のイラスト

実際に「傷つける」と駄目ですが、輪ゴムでパッチンとするくらいなら、まだ許容範囲、ということで、輪ゴムで対応してもらうことがあるのです。

 

実際、私などは心理臨床の中でも使用する方法ですので

もし、どうにもならない不安や、緊張に襲われたときなどがあったら使ってみてください。

 

ちょっとだけですが、逃れることができるでしょう。

でも、もし、そんな状態だったら、早めにカウンセラーなどに相談してくださいね。

 

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

 

自分のエネルギーの根源に気づいておく重要さ

25年間の臨床経験からみえてくる、『自分のエネルギーの根源に気づいておく重要さ』についてお話しします。

 

みなさんの中でも、大学、大学院をでているという方は、いらっしゃると思います。

高卒で仕事に就かれて、活躍されている方もいらっしゃるでしょう。

 

『学歴』というものは、過去は意味があったかもしれませんが、現在では、皆さんが思うほど意味はないように感じられます。

仕事ができるかできないか、はあまり学歴とは一致しないことも多くなってきているのは、皆さんもご存じのことでしょう。

学校と体育館のイラスト

わたしが、臨床をやっていて実感するのは、

「エネルギーのある人とない人の差」というものは

もちろん学歴などではなく

「その人のエネルギーの出どころはどこなのか」

ということのように感じています。

 

例えば、人間には「欲」というものがあります。

「お金を稼いて、欲しいものを買いたい」

というエネルギーがあるとした場合、その「欲しいもの」が、どのくらい欲しいのか、ということもエネルギーの根源ですが

「欲しいものを手に入れたとき、何をしたいのか」

ということまで考えてみてください。

 

「かっこいい車が欲しい」

で、それが叶ったら?

 

「大きな家が欲しい」

で、それが叶ったら?

 

と続けてみてください。

 

例えば

「高級車が欲しい」

で、それが叶ったら?

「お付き合いしている人を乗せてドライブに出かけて、いい気分を味わいたい」

で、それが叶ったら?

「今、仕事におわれていて、プライベートがないがしろになっているのが解消できる」

で、それが叶ったら?

「仕事もしないで、遊んでばかりいる同僚を見返してやれる」

 

というような、本当の自分の「底にある」エネルギーの出どころを探ってみるのです。

仕事・業務のタスクを考えるイラスト

こんなことをお話している私は、かつて「怒り」が根底あるエネルギーをメインに活動していたことがあります。

「今に見てろ」

というような怒りの力は、非常に強いので、多少疲れようと、失敗しようと、枯れないという特徴があります。

けれども、怒りをもとにした力というのは、自分も他人も大切にしない、という特徴がありますから、わたしも結局のところ、この力だけでは自分自身が疲弊してしまうことに気が付くことがありました。

 

現在は、力はずっと弱く感じますが

「与える」

ということを、自身のエネルギーの根底に置いています。

 

どうやったら楽しんでもらえるか

何が人の役に立ちそうか

目の前の人が成功するにはどうしたらよいか

と考えることが、自分の活動のエネルギーの根源になっています。

 

でも、正直に言えば、時々、うまくいかないと

「そんなことまで、あなたの代わりにやってられないよ」

と思うこともあります。

困る男子学生のイラスト(中学生・高校生)

けれども、そうであっても、「怒りの力」で動いていた時よりは疲れませんし、周りの人たちも喜んでくれることに気づきます。

 

わたしたちが、本来手に入れようと思っているものは

人を出し抜いたり

蹴落としたり

だましたり

傷つけたりすることでは、得られないものばかりです。

 

自分が何かをする際に、その原動力になるエネルギーは、どこから出ているのかを確認しておかないと、時々、ねじ曲がったことをしてしまいがちです。

 

もし、疲れてしまって、何もやる気が起きない、という時があったら、時には、それでもいいでしょう。

でも、なぜ疲れてしまっているのか、なにに対して疲れているのか

ちょっとたちどまって確認してみましょう。

 

きっと、気づけていないエネルギーの無駄遣いが見つかるはずです。

 

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

ゲームは悪いとばかりも言えない

25年間の臨床経験からみえてくる『ゲームは悪いとばかりも言えない』というあまりカウンセラーが言わないことについてお話しします。

 

「ゲーム」ということについては、こと心理職という立場で言いますと、あまり良い物とは言えない、というスタンスが多いかと思います。
それは、ご存じの通り、ゲームのし過ぎ(ゲーム依存)とか

生活習慣の乱れにつながるとか

ゲームの内容によっては、あまり心理的な発達上よくないものがあるのではないかとか

私個人が学校などでお話をする際にも

『ゲームでの経験値は、実社会での経験値としてはまるっきり活きない』

というようなお話をすることがあります。

実際のところ、わたしもあまりゲームというものはやらないほうで、スマホのオンラインゲームをたまにやるとか、家族のやっているゲームを横からみていて茶々を入れるとか、せいぜいその程度でした。

スマートフォンを持つイラスト

そう、最近までは・・・

 

家族の誕生日に、あるゲーム機を購入することになり、やってみたところ

これは、けっこうおもしろいですね。

目が疲れるので、そんなにいつまでもやることはありませんが

実際、ちょっと「やりすぎかな」と思うくらいゲームをしてみて、その感想、といいますか、

今までお話をしてきたほど、めちゃくちゃわるい点ばかりでもない、ということについてお話ししましょう。

家族のイラスト(父母子)

まず

家族同士の関係がプラスに働くことがあり得ます。

というのも、私たちの家族関係というのは、親と子、夫と妻、舅と嫁とか、下手をすると、対比関係とか上下関係というものが、知らないうちに出てきたりするものです。

 

ところが、簡単に楽しいゲームがあると、親子で一緒に、とか、夫婦一緒に、とかゲームという対象に向かって、「人が一緒になる」という効果は感じました。

もちろん、トランプだったり、オセロだったり、そういうものでもよいでしょう。

でも、

家族みんなが楽しい、ということが大前提です。

 

もう一つは

「ちょっとレベル上げしよう」

とか理由をつけてゲームをしている時間は、ほんとにあっという間に過ぎます。

その時間については、仕事のことは考えませんし、日中起きたちょっと考えモノの事柄なども、一瞬、忘れているのですね。

 

これは、悪い言い方かもしれませんが「楽」です。

 

もちろん、

ゲームに逃避する、ということは、何の解決にもなりませんし、先ほど書いたように、ゲームにおける経験値は、実社会の経験値とは何の関係もないので、まったく役には立ちませんが、

「楽な時間」

というものを提供する力はある、というのが、実際感じたところです。

 

ただ、これは、お酒などと同様に、おいしく楽しむ、という場合はとても有効なストレス対処ですが、楽だから逃げたくなる、ということも心得ておかないといけません。

 

心理的な負担が大きいときは、ゲームなど見る気も起きない、という状態になると思いますが、日常のなかでちょっとした息抜きとしてのゲームは、アリですね。

 

今まで、非常に否定的に見ていたので

目からウロコの体験でした。

 

繰り返しになりますが、やりすぎは駄目ですよ。

KIRIHARE所属 臨床心理士

違いの分かる人になる

何か違いの分かるもの、お持ちですか。

考える男子学生のイラスト(中学生・高校生)

例えば、難しいところでは、骨とう品があげられるでしょう。

私の知り合いの方も、骨とう品集めが趣味なのですが、

「いつか本物を見分けけられるようになりたい」

といいつつ、ずいぶん予算を超過して、どうでもいいものを手にしてしまっているようです。

 

個人的には、そんな高度な見分けはできないのですが

コーヒー

日本酒

については、すこしだけ好きで楽しんでいます。

飲む若い男性のイラスト

知り合いの酒屋さんが、知り合い、と言うよりは、もうちょっと親しいために

「利き酒会」

等と言うものをやってもらい、季節のお酒を5種類準備して、当てていく、と言うことをやったり、

コーヒー焙煎所のマイスターの方とも、知り合いと言うよりはちょっと親しくさせていただいているために

「自分のオリジナルブレンドづくり」

に付き合っていただいたりして、とても楽しく、勉強になっています。

ホットドリンクのイラスト

そうしますと、

香りの違い

味、というおおざっぱなところではなく

酸味

苦味

コク

苦味

甘味

とか、そこそこ細かな違いに目を向けて、違いを楽しむようになります。

時間の経過や温度などによる違いもあるので、コーヒーとお酒に向き合っている時は結構真剣に、楽しく時間が過ぎていきます。
笑う男性ビジネスマンのイラスト

『いらないこだわり』というものは、他の人にとってはいらなくても、自身にとっては必要な時間です。

アニメを見てもいいでしょうし、料理を作っても、絵を描いてもいいでしょう。

うまいとか下手とか、そういった他者評価に寄らない、自分が好きなものを追求する時間があってもよいかもしれません。